脚をかばうように歩いている。大きな腫れが四肢にある。
もしそのような症状・行動が見られる場合、 原因は骨肉腫によるものかもしれません。
いわゆる「骨の癌」で、転移も早く死に至る可能性のある恐ろしい病気です。
今回は骨肉腫について、原因や症状、治療法に至るまでを徹底解説していますので、 最後までチェックしてください。
骨肉腫とは?
骨肉腫は正常な骨組織から悪性腫瘍が発生する疾患で、骨の細胞ががん化して腫瘍を形成します。
腫瘍は急速に成長し、周囲の組織や骨を侵襲し、骨の痛みや腫れが症状として現れます。
骨肉腫はどのようにして起こる?
骨肉腫の正確な原因はまだ明らかにされていませんが、大型犬・超大型犬に発症しやすく、遺伝的要素が主な理由とされています。
他にも、以前の骨折や放射線治療を行なった経験がある個体に発症傾向が見られたこともあり、後天的要因ではないかと疑われています。
併せて読みたい:
このような症状は要注意!
骨肉腫約75%は、四肢の骨に発生されます。
この症状要注意!
・足の腫れ
・かばうような歩き方
・痛そうにしている
これらの症状が見られた場合は、発症の可能性があるため、早めに獣医師に相談することをお勧めします。
治療法は?
骨肉腫の発症有無は、対象の患部X線で撮影し検査する方法や、骨組織を細い針で採取し検査を行い、診断を確定させます。
骨肉腫は全身への転移が高く、また早いため、病変部の早急な除去が必要です。
外科手術により、病変部位を部分的に切除する方法、進行度合いによっては該当四肢を切断する処置が行われます。
術後は、放射線治療や抗がん剤による転移・進行を遅らせる治療を行うのが一般的です。
しかし副作用もあるため、獣医師と相談のもと、愛犬の体調なども考慮しながら治療を選択する必要があります。
予防について
発症原因がはっきりとわかっておらず、発症を予防するのは難しいです。
早期発見・早期治療が一番の予防につながるため、違和感を感じたら早めの診察をお勧めします。
まとめ
骨肉腫は、犬の骨に発生する、進行性が速く転移性も高い悪性腫瘍で、特に大型犬種で発生率が高い疾患です。
その原因は完全には解明されていませんが、遺伝的傾向や過去の骨の傷害が関与する可能性が指摘されています。
症状は腫れ、痛み、跛行などが挙げられます。
治療は病変部位の切除、術後は放射線治療や抗がん剤の服用により進行・転移を抑える方法があります。
早期発見・早期治療がとても重要なため、該当症状が見受けられましたら、まずは検診してみる事をお勧めします。
参考にした記事・文献
北海道大学動物医療センター外科/腫瘍診療科
犬の骨肉腫
https://www.vetmed.hokudai.ac.jp/VMTH/content/files/department/oncology/HUVTH-5_OSA.pdf
松原動物病院
犬の骨肉腫
https://mah.jp/medc/canine_osteosarcoma
ALL動物病院
骨にできる腫瘍 犬の骨肉腫について解説します
https://www.wizoo.co.jp/infomation/disease/2022/7276/