愛犬がフラフラ歩いている。麻痺しているかのように一部の身体が動いていない。
もしそのような行動が見られる場合、 原因は脊髄空洞症によるものかもしれません。
重症化すると、歩行障害や呼吸障害も引き起こす可能性がある恐ろしい疾患です。
今回は脊髄空洞症について、原因や症状、治療法に至るまでを徹底解説していますので、 最後までチェックしてください。
脊髄空洞症とは?
脊髄とは、脳から背骨(脊椎)の中を通っている太い神経の束のようなもので、脳から出た信号を身体の各部位に伝達するための中枢神経としての役割を担っています。
脊髄空洞症は、脊髄の中に水が溜まり、まるでちくわにように中に空洞が出来てしまう疾患です。
神経伝達が阻害され、重症化する場合は、歩行障害や呼吸障害も引き起こす可能性があります。
脊髄空洞症はどのようにして起こる?
脊椎空洞性は、遺伝的な要素が大きいとされています。
後頭骨の奇形により、脳の小脳後部が頭側に圧迫されることにより、空洞ができてしまう場合や、他にも頭蓋骨や頚椎の先天的奇形が関連するとされています。
主に小型犬に、発症が多く見られる傾向があります。
・キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
・チワワ
・ポメラニアン
・ヨークシャー・テリア
その他にも、水頭症や脊髄腫瘍から併発する後天的な事例もあります。
併せて読みたい:
このような症状は要注意!
軽症の場合は知覚過敏や首の周りにかけ皮膚を痒がる行動などが症状として見えます。
発症していても無症状のまま一生を過ごす犬もいます。
一方で重症の場合は、歩行困難、部分的または完全な麻痺、呼吸停止により死に至る場合もあります。
治療法は?
脊椎空洞性の診断には、CTスキャン、またはMRIによる画像診断により、脊椎内の空洞の存在と位置を特定することになります。
治療法は病状によって異なりますが、症状の進行を遅らせるために、消炎鎮痛剤や脳脊髄液産生抑制剤といった薬物療法による内科治療があります。
症状が重い場合は、後頭部の骨を骨を部分切除すると言った、外科手術が選択されることがあります。
費用や麻酔リスクもあるため、どの治療が最適かは獣医師相談のもと決めてください。
予防について
遺伝的要素が大きく、発症を予防するのは難しいです。
早期発見・早期治療が一番の予防につながるため、違和感を感じたら早めの診察をお勧めします。
まとめ
脊椎空洞性は、犬の脊椎内部に空洞が生じる深刻な病気であり、重症化すると歩行障害や麻痺などの症状を引き起こす可能性があります。
遺伝的な理由が大きく、小型犬に発症しやすいとされています。
診断にはCT、MRIが利用され、治療法には薬物療法による内科治療、外科手術が選択肢にあり、愛犬の状態に応じた適切な管理と治療を行いましょう。
参考にした記事・文献
みなみ野動物病院
脊髄空洞症
https://minamino-ah.com/orthopedic/syringo/
相川動物医療センター
脊髄空洞症とは
https://aikawavmc.com/specialize/?specializeId=28
千葉シーサイド動物医療センター
キアリ様奇形と脊髄空洞症
https://chibaseaside.com/disease/%E3%82%AD%E3%82%A2%E3%83%AA%E6%A7%98%E5%A5%87%E5%BD%A2%E3%81%A8%E8%84%8A%E9%AB%84%E7%A9%BA%E6%B4%9E%E7%97%87/