犬の停留睾丸ってどんな病気?放置すると命に関わる危険も!症状や原因、治療法まで徹底解説

停留睾丸とは、本来の位置に睾丸がなく、体内に取り残されてしまう疾患です。
精巣が腫瘍化する恐れもある、恐ろしい病気です。

今回は停留睾丸について、原因や症状、治療法に至るまでを徹底解説していますので、もしあなたの愛犬が該当していないか、チェックしてください。

停留睾丸とは?

停留睾丸とは、睾丸が何かしらの理由で体内(一般的には腹腔内またはそ径部あたり)に留まってしまう疾患です。

通常、犬の睾丸は生後数週間から数ヶ月で陰嚢(いんのう:睾丸を支える袋)に降りてきますが、停留睾丸の場合、一方または両方の睾丸が陰嚢に降りてこないか、一時的に降りてきた後に再び上昇することがあります。
犬の生殖能力に影響を与える可能性があり、また、睾丸が体温よりも高い位置にあるため、睾丸が熱にさらされ、精巣が腫瘍化し、精巣癌にも発展する可能性もある、危険性の高い病気です。

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停留睾丸はどのようにして起こる?

停留睾丸の原因は完全には解明されていませんが、遺伝的な要因が大きく影響していると考えられています。

以下のような小型犬種は、発症傾向が高いとされています。

・ミニチュアシュナウザー
・チワワ
・トイプードル
・ポメラニアン

このような症状は要注意!

停留睾丸は、自覚症状はありません。
陰嚢が空であることを除けば、外見上は特に見受けられないことが多いです。

だからこそ愛犬自身の体調変化により症状の発見がしづらいため、生後6か月程度でも睾丸が陰嚢に降りてきていない場合は、触診や超音波を使用し、睾丸の位置を特定するなどし、発症を特定します。

治療法は?

停留睾丸を放置すると睾丸腫瘍のリスクが高まることが知られています。
また、鼠径ヘルニアなど合併症を引き起こす可能性もあるため、一般的な治療方法としては、停留している睾丸を外科的に除去する手術を行います。

予防について

遺伝性の疾患なため、発症予防は困難です。
早期発見・早期治療が一番の予防策ですので、生後6か月程度で睾丸が陰茎に降りてきていないようであれば、早急な受診をおすすめします。

まとめ

停留睾丸は、犬の睾丸が陰嚢に降りてこない状態で、遺伝的な要因が大いに関与しています。
症状は目立たないことが多いですが、診断と早期治療は将来の健康リスクを軽減するために重要です。生後6ヶ月を目安に、睾丸が陰嚢に降りてきていない場合は、一度発症を疑い、病院に相談をしてみることをお勧めします。

参考にした記事・文献

ハートワン動物病院 総合医療ケアセンター
停留睾丸
https://heart-one.net/disease/dog-disease/stationarytestes/

光が丘動物病院グループ
オス犬の潜在陰(停留)睾丸。普通の去勢手術との違いは?
https://www.hikarigaoka.net/staffblog/post-3328/

パティ動物病院
停留睾丸(陰睾)
https://www.pati-clinic.com/dog1/?m=68&d=16&n=1