シェットランド・シープドッグは、ボーダーコリーと同じ先祖を持つ、優雅なたてがみが特徴的な犬種です。
この記事では、そんなシェットランド・シープドッグについて、歴史や性格、日々のお手入れなど様々な観点から解説をします。
もしシェットランド・シープドッグのお迎えを検討している、すでに飼育しているけど改めて理解を深めたい飼い主様は、是非この記事を参考にしてみてください。
目次
シェットランド・シープドッグとはどんな犬種?
基本情報
シェットランド・シープドッグは、美しく長い被毛とくりくりとした大きな瞳と尖った耳、そして優雅なたてがみが特徴的な、イギリス原産の小型犬種です。
放牧犬として長きに渡り活躍していた歴史から、飼い主やリーダーに対し従順な傾向があります。
平均体重は約9~12kg、体高は成犬時で約35~37cm程度に成長します。
サイズとしては中型犬に近い小型犬として、一般的に分類されることが多いです。
毛色は「セーブル」「トライカラー」「ブラック&ホワイト」といった色が人気カラーです。
歴史
名前にあるシェットランドは、イギリス最北部の諸島名であり、定住犬ではなく大陸から渡り住み着いたと考えられています。
コリーやボーダーコリーと祖先は同じですが、一回り小さいサイズが特徴で、これは定住した際に現地の犬と交配し小型化したという説や、シェットランド地方特有の厳しい寒さの中で、十分な飼料を与えられず家畜が小型化するといった事象があり、シェットランド・シープドッグも同様の環境下で小型化したという説があります。
放牧犬として活躍したのち、19世紀ごろからは、島を訪れたイギリス海軍の兵士が本土に持ち帰ったことがきっかけで、家庭犬としても愛されるようになっていきました。
シェットランド・シープドッグは飼育しやすい?
シェットランド・シープドッグの性格
優しく穏やかであり、飼い主やリーダーに対し従順な傾向があります。また知能も高く、訓練に対しても好む性格の個体が多いため、しつけもしやすいでしょう。
一方で警戒心が強く、見知らぬ人や状況に対して吠えやすい傾向にあるので、幼少期からの社会化が重要です。
また牧羊犬の性質から、動くものへの反応が過敏な傾向にあるため、追いかけたりほえたりしないようなしつけを行うことが重要です。
手入れのしやすさ 〜美しい被毛はブラッシング必須〜
シェットランド・シープドッグは「ダブルコート」という毛の生え方をしており、毛は一定の長さまで達したらそれ以上は伸びないため、基本的にはトリミング不要な犬種です。毛先を整える程度で、1~2ヶ月に1回ほど必要に応じてカットしてあげるといいでしょう。
一方で、美しい体毛は毛量も多く抜けやすく毛玉になりやすいため、毎日のブラッシングは必須。しっかり整えてあげましょう。
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遊ぶの大好き!お散歩以外にもドッグランでストレス発散
元々牧羊犬であったことから、スタミナがありとても活動的な犬種なため、 運動することでストレスが発散されます。 散歩は毎日40~50分以上を2回ほど行うほか、時にはドッグランで思いっきり走らせましょう。
また知能も高いため、作業意欲を満たせるようなボール遊びやドッグスポーツもおすすめです。
気をつけたい病気は?
コリーアイ症
コリーアイは、網膜の異常成長により、視細胞が壊れたり、網膜が剥がれたなど、視力の低下や失明を引き起こす病気です。この疾患は主に遺伝的な要因によって引き起こされ、コリー種やその近縁種によく見られます。
甲状腺機能低下症
甲状腺とは喉の位置にあり、細胞の代謝や促進に関わる甲状腺ホルモンを分泌しています。
甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの分泌が減少する疾患です。
甲状腺の異常や自己免疫疾患によって引き起こされることがあり、この状態では、体内の代謝率が低下し、多くの器官と組織が正常に機能しづらくなります。
股関節形成不全
股関節形成不全は、犬の大腿骨(太ももの骨)と骨盤の関節、つまり股関節が正しく発達しない状態です。発症すると歩行時に痛みが生じたり、腰痛にもなります。股関節形成不全は主に成長期の大型犬種にみられ、発症は遺伝的な因子が大きく関与します。
お迎えする際の費用は?
一般的な相場価格は30万円前後です。
体毛の色やサイズ、見た目や販路経路によって相場は変動します。特にシェットランド・シープドッグは、毛色によって変動幅があり、「ブルーマール」といったブルーとグレーを混ぜたような毛色は個体数が少なく、費用が高くなる傾向にあります。
それに加え、ワクチン接種や去勢手術、初めてのお迎えの場合は準備する備品費用を加えると、7~10万円前後が初期費用として追加でかかるでしょう。
お迎えに関しては、こちらの記事にも詳しくまとめていますので是非参考にしてください。
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まとめ
シェットランド・シープドッグはイギリス原産の小型犬で、美しく長い被毛と、くりくりとした大きな瞳と尖った耳、そして優雅なたてがみが特徴的です。
牧羊犬としての歴史を持ち、長きに渡り人間を支えてきた背景からか、家族への愛情深い性格も魅力の一つです。
その所以で、とても賢くアクティブな犬種ですので、ドッグスポーツなども一緒に楽しめるでしょう。
トリミングは整える程度で十分だが、抜け毛は多いため、定期的なブラッシングは必須。
シェットランド・シープドッグの特徴と魅力を理解し、愛犬との幸せな時間を過ごしましょう。
参考にした記事・文献
AMERICAN KENNEL CLUB
shetland-sheepdog
https://www.akc.org/dog-breeds/shetland-sheepdog/
一般社団法人 ジャパンケネルクラブ
https://www.jkc.or.jp/archives/world_dogs/2817
日本と世界の犬のカタログ 2020
成美堂出版
いちばんよくわかる犬種図鑑 日本と世界の350種
メイツ出版