セント・バーナードって飼いやすい?歴史や特徴、日々のお手入れまで徹底解説!

セント・バーナードは、アルプスの避難救助犬として活躍するスイス原産の超大型犬です。
この記事では、そんなセント・バーナードについて、歴史や性格、日々のお手入れなど様々な観点から解説をします。

もしお迎えを検討している、すでに飼育しているけど改めて理解を深めたい飼い主様は、是非この記事を参考にしてみてください。

セント・バーナードとはどんな犬種?

基本情報

セント・バーナードは、垂れた耳と、たるんだ頬、骨太で力強い体つきは、体重が最大で90kg近くにもなる超大型犬です。
見た目の迫力に対し、表情はおっとりとしており、性格も優しくマイペースなところが人気の理由の一つです。

平均体重は約50~90kg、体高は成犬時で約70~90cm程度に成長します。
被毛は、レッドの下地に、ホワイトの班が特徴的です。

歴史

その昔、ローマ軍がスイス侵攻の際に持ち込んだ際の軍用犬がルーツだと言われています。
セント・バーナードは、スイスのアルプス山脈、特にグレート・セント・バーナード峠周辺の修道院での使役犬として育成されました。

紀元1000年頃には既に存在しており、もともとは旅行者の案内や守りをする犬として使われていたとされます。

18世紀になると、その強靭な体格と優れた嗅覚を活かして雪山での救助犬としての役割を担い始め、多くの命を救ったと伝えられています。その功績を称えられ、 スイスの国犬として選ばれ、人気を博しています。

セント・バーナードは飼育しやすい?

セント・バーナードの性格

セント・バーナードは、性格は優しくて愛情深く、飼い主に忠実です。

元々は番犬として活躍してきたこともあり、ややテリトリーを守ろうとする気質はあります。攻撃的な態度を取らぬよう、幼少期からのしつけは重要です。

また、ややマイペースで動作がゆっくりとしてるところがありますので、せかさず待ってあげることも、信頼関係を築く上で重要となっています。

手入れのしやすさ 〜ブラッシングとシャンプーは定期的に〜

セント・バーナードは短毛と長毛の種類がいますが、共に「ダブルコート」という毛の生え方をしており、毛は一定の長さまで達したらそれ以上は伸びないため、基本的にはトリミング不要な犬種です。
長毛種の場合は、毛先を整える程度で、1~2ヶ月に1回ほど必要に応じてカットしてあげるといいでしょう。

一方で抜け毛は多く、定期的なブラッシングで手入れをしてあげることが大事です。
特に目や口の周りは汚れやすいため、タオルで拭いてあげるなどして清潔に保ちましょう。

汚れの状況も見ながら、必要に応じて月に1~2回ほどシャンプーをしてあげることも大事です。
体が大きいため、難しい場合はトリミングサロンなどにお願いしてみるのもいいかもしれません。

長めの散歩で運動不足を解消!暑さは苦手なので、散歩の時間帯に注意

筋肉質でまたエネルギッシュでもあるため、散歩は毎日60分以上を2回ほど行いましょう。
ただし体重が重いため、関節に負担がかからないよう、激しい運動などではなく、じっくり長く散歩を行うことを推奨します。

また寒冷地で育っていることから、暑さが苦手な犬種なので、夏場などは散歩の時間や体調に特に注意を払いましょう。

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気をつけたい病気は?

股関節形成不全
股関節形成不全は、犬の大腿骨(太ももの骨)と骨盤の関節、つまり股関節が正しく発達しない状態です。成長期に骨の変形や関節の緩みが原因で発症するケースが多く、関節炎などを引き起こす可能性があります。

胃捻転
胃捻転は、犬の胃が異常にねじれてしまう病気です。捻れた際に、胃内のガスや内容物が排出できず、血流も制約されるため、犬は急速に体調が悪化し、最悪のケースは死に至ります。

眼瞼内反症
眼瞼内反症は、犬のまぶたの一部が内側に巻き込まれ、眼の表面に接触する疾患です。これにより、まぶたが目に刺激を与え、角膜に損傷を引き起こす可能性があります。眼瞼内反症は通常、目を開いた状態でまぶたが内側に巻かれることが多く、犬の不快感や眼のトラブルを引き起こします。

骨肉腫
骨肉腫は正常な骨組織から悪性腫瘍が発生する疾患で、骨の細胞ががん化して腫瘍を形成します。腫瘍は急速に成長し、周囲の組織や骨を侵襲し、骨の痛みや腫れが症状として現れます。

お迎えする際の費用は?

一般的な相場価格は20万円〜30万円です。
この犬種はペットショップなどでの取り扱いはほとんどなく、ブリーダーを介してのお迎えが一般的です。
体毛の色やサイズ、見た目や販路経路、血統の有無によって相場は変動します。

それに加え、ワクチン接種や去勢手術、初めてのお迎えの場合は準備する備品費用を加えると、7~10万円前後が初期費用として追加でかかるでしょう。

お迎えに関しては、こちらの記事にも詳しくまとめていますので是非参考にしてください。

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まとめ

セント・バーナードは、アルプスの避難救助犬として活躍するスイス原産の超大型犬で、体重が最大で90kg近くにもなります。
見た目の迫力に対し、表情はおっとりとしており、性格も優しくマイペースなところもまた人気の秘訣です。

極寒の地を耐え抜く厚い被毛は抜けやすいため、定期的なブラッシングで手入れをしてあげることが大事です。

山岳救助犬として活躍していることから、筋肉質でまたエネルギッシュなことは想像できるかと思います。散歩は毎日60分以上を2回ほど行い、ストレスを発散させてあげましょう。

日本の暑い夏場などは苦手なので、散歩の時間や体調に特に注意を払うことが大切です。

セント・バーナードの特徴と魅力を理解し、愛犬との幸せな時間を過ごしましょう。

参考にした記事・文献

AMERICAN KENNEL CLUB
Saint Bernard
https://www.akc.org/dog-breeds/st-bernard/

一般社団法人 ジャパンケネルクラブ
https://www.jkc.or.jp/archives/world_dogs/2738

日本と世界の犬のカタログ 2020
成美堂出版

いちばんよくわかる犬種図鑑 日本と世界の350種
メイツ出版