狆(ちん)って飼いやすい?歴史や特徴、日々のお手入れまで徹底解説!

狆は、あの徳川綱吉も愛したとされている、絹のような被毛が特徴の日本原産の小型犬種です。
この記事では、そんな狆について、歴史や性格、日々のお手入れなど様々な観点から解説をします。

もしお迎えを検討している、すでに飼育しているけど改めて理解を深めたい飼い主様は、是非この記事を参考にしてみてください。

とはどんな犬種?

基本情報

狆は、白を基調とした光沢のある被毛に、まるでマスクを被っているかのように、くりっとした目や垂れた耳の周りに黒い被毛が模様付く、独特な顔立ちが特徴的な、日本原産の小型犬です。
愛らしい見た目に加え、性格も穏やかで利口なことから、愛され上手な犬と言えるでしょう。

平均体重は性別関係なく約3kg、体高は成犬時で約25cm程度に成長します。
「白×黒」の配色が王道カラーですが、「白×茶」も人気の毛色です。

歴史

祖先犬はチベットの小型犬で、 チベタン・スパニエルやペキニーズの血も引いており、732年に新羅から日本の宮廷に献上されたの記録が残っています。
当時、狆は身分の高い人々の間でのみ飼うことが許されるほど、非常に珍重された犬種でした。

中国から伝来した狆は、日本の気候や文化の中で独自の進化を遂げ、現在見られる日本独特の狆の姿になりました。
その容姿や優雅な振る舞いは、日本の絵画や文学にもしばしば描かれており、日本文化の一端を担う存在として重要な役割を果たしています。

その後江戸時代には徳川綱吉将軍にも愛されたとも言われており、 17世紀以降イギリスやアメリカに渡り、日本原産の犬の中で初めて世界に公認されました。

日本では大正時代と第二次世界大戦のときに個体数が激減しましたが、愛犬家による種の保存活動の賜物で、現在は個体数も回復してきて、ペットとして飼育できるほどになりました。

2.狆は飼育しやすい?

の性格

狆は比較的穏やかな性格で、動き回る、というよりは飼い主の近くにいたい、といったタイプの個体が多いです。そのため、飼い主には甘える側面もあり、愛され上手です。また利口なので、しつけもそこまで大変ではないでしょう。

一方で少々頑固で自立心が強いな一面もあるため、訓練には忍耐と一貫性が求められます。

手入れのしやすさ 〜耳の飾り毛は絡まりやすいので注意〜

狆はまっすぐで豊かな美しい被毛が特徴です。
「シングルコート」という毛の生え方をしており、抜け毛は少ない特徴がありますが、一方で放っておくと人間の髪の毛のように徐々に伸びていく性質を持っています。

個体差にもよりますが、地面を引きずるほどの長さまでは伸びないため必須というわけではありません。
整える程度で、1~2ヶ月に1回ほど必要に応じてカットしてあげるといいでしょう。

上記も説明した通り、抜け毛は少ないですが、耳や脚の飾り毛もあるため、絡まないよう数日に1回、ほぐすような形でブラッシングはしてあげましょう。

暑いのが苦手!時間を選んで散歩を

そこまで運動を必要としないため、1日2回15~20分程度の散歩で十分です。
気分のリフレッシュと社会性を育むためにも外に出る習慣は作りましょう。

高温多湿の環境が苦手なので、 夏などは散歩時だけでなく室内の温度にも気を配りましょう。

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気をつけたい病気は?

膝蓋骨脱臼
膝蓋骨脱臼は、犬の膝の関節で膝蓋骨(膝の「パテラ」とも言われる、膝にあるお皿の部分)が本来の位置からずれる病気です。この状態が起きると、犬は痛みを感じたり、歩き方がおかしくなったりします。

乾性角結膜
乾性角結膜炎はいわゆるドライアイです。犬の眼において涙液の分泌が不十分であるために、角膜と結膜が乾燥し炎症を起こす疾患です。涙液は眼の健康に重要で、角膜を保護し、栄養を供給し、外部刺激から守る役割を果たしますが、乾性角結膜炎では、この涙液の不足によって角膜が傷つき、炎症により開眼時に目の痛みや不快感を感じる症状があります。

眼瞼内反証
眼瞼内反症は、犬のまぶたの一部が内側に巻き込まれ、眼の表面に接触する疾患です。これにより、まぶたが目に刺激を与え、角膜に損傷を引き起こす可能性があります。眼瞼内反症は通常、目を開いた状態でまぶたが内側に巻かれることが多く、犬の不快感や眼のトラブルを引き起こします。

お迎えする際の費用は?

一般的な相場価格は30万円〜40万円となっています。
この犬種はペットショップなどでの取り扱いはほとんどなく、ブリーダーを介してのお迎えが一般的です。

体毛の色やサイズ、見た目や販路経路、血統の有無によって相場は変動します。特に狆は、顔の周りの黒い模様が左右対称であるほど、マズルから頭頂部にかけて白いラインが綺麗に伸びているほど好ましいとされていて、費用が高くなる傾向にあります。

お迎えに関しては、こちらの記事にも詳しくまとめていますので是非参考にしてください。

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まとめ

狆は、平安時代からすでに貴族の間で愛されており、日本絵画や文学にも登場するほど歴史の長い小型犬です。
愛嬌があり、家族に心をゆすり甘える姿に心奪われる飼い主様も多いのではないでしょうか。

また必要な運動量も多くなく、抜け毛も少ないため、飼育しやすいのも人気の理由の一つです。
一方で、独立心が強い性格もあり、しつけは根気よく行いましょう。

くりっとした目は、時に疾患を引き起こしやすくもあるため、目の充血や涙など、普段と違う行動があったら、すぐに病院に行きましょう。

狆の特徴と魅力を理解し、愛犬との幸せな時間を過ごしましょう。

参考にした記事・文献

AMERICAN KENNEL CLUB
Japanese Chin
https://www.akc.org/dog-breeds/japanese-chin/

一般社団法人 ジャパンケネルクラブ
https://www.jkc.or.jp/archives/world_dogs/1982

日本と世界の犬のカタログ 2020
成美堂出版

いちばんよくわかる犬種図鑑 日本と世界の350種
メイツ出版