愛犬が近頃元気がなく、ぐだっとしている。ご飯は変えていないのに毛艶が悪い。
もしそのような症状に悩まれている場合、その原因は甲状腺機能低下症によるものかもしれません。
代謝に関わる重要なホルモンで、他疾患を併発する恐れがあり注意が必要です。
今回は甲状腺機能低下症について、原因や症状、治療法に至るまでを徹底解説していますので、 最後までチェックしてください。
甲状腺機能低下症とは?
甲状腺とは喉の位置にあり、細胞の代謝や促進に関わる甲状腺ホルモンを分泌しています。
甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの分泌が減少する疾患です。
甲状腺ホルモンは、エネルギー代謝だけでなく、体内を生成するタンパク質やビタミンなどを合成・利用・排出する役割も担っており、
甲状腺機能低下症になると、体内のエネルギー代謝の低下だけでなく、体内にある多くの器官と組織が正常に機能しづらくなり、他疾患を併発する恐れもあります。
皮膚乾燥や乾性角結膜炎といった症状に悩み診断を受けた際、検査を行った際に、発症の要因が実は甲状腺機能低下症から起因しているものと発覚したというケースも中にはありますので、
他疾患に悩まされている場合は、一度検査をお勧めします。
併せて読みたい:
甲状腺機能低下症はどのようにして起こる?
犬の甲状腺機能低下症の多くの理由は、甲状腺に何かしらの問題が起き機能が低下することで引き起こされます。
具体的には、特発性甲状腺萎縮やリンパ球性甲状腺炎、甲状腺腫瘍などが起因となります。
また甲状腺自体は正常だが、別の重症化した疾患を患っている場合、血中の甲状腺ホルモンが低下し、機能低下に影響する場合もあります。
どの犬種でもかかる可能性はあり、7〜8歳以降に発症しやすいと言われています。
このような症状は要注意!
甲状腺機能低下症を患う犬は、以下のような症状を示すことがあります。
この症状要注意!
・元気がなくなる
・歩きたがらなくなる
・エネルギーの低下
・体重の増加、肥満
・毛皮の質の悪化
・脱毛
・皮膚病が治りにくい
重症化すると、顔面麻痺や発作などを発症することもあります。
また症状が、他の疾患によるものや加齢による体力低下と類似している点が多く、見分けることが難しいです。
このような不調症状を見受けられましたら、まずは検診してみてはいかがでしょうか。
治療法は?
血液検査を用い、血液内の甲状腺ホルモンのレベルを測定し、正常範囲からの逸脱を確認します。
この検査により、病気の早期発見と治療が可能になります。
甲腺機能低下症の治療は、主に甲状腺ホルンの補充を目的とした甲状腺ホルモン製剤を投与します。
低下した甲状腺ホルモンの分泌量が元と同じように戻ることは難しく、基本的には甲状腺ホルモン製剤を定期的に飲み続けなくてはいけません。
予防について
遺伝的要素が大きく、発症を予防するのは難しいです。
早期発見・早期治療が一番の予防につながるため、違和感を感じたら早めの診察をお勧めします。
まとめ
犬の甲状腺機能低下症は、代謝にまつわるホルモンの分泌に異常をきたす疾患で、
体重増加や、エネルギーの低下、皮膚・毛皮問題など多様な症状を引き起こす可能性あります。
診断は血液検査により行われ、治療にはホルモン充療法が一般的です。
早期発見が一番の予防ですが、症状は他の疾患と類似しており発見が難しいため、不調症状を見受けられましたら、まずは検診してみる事をお勧めします。
参考にした記事・文献
松原動物病院
犬の甲状腺機能低下症
https://mah.jp/medc/canine_h#:~:text=%E7%94%B2%E7%8A%B6%E8%85%BA%E6%A9%9F%E8%83%BD%E4%BD%8E%E4%B8%8B%E7%97%87%E3%81%AF,%E3%82%92%E5%BC%95%E3%81%8D%E8%B5%B7%E3%81%93%E3%81%99%E3%81%93%E3%81%A8%E3%82%82%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
あいむ動物病院
甲状腺機能低下症
https://119.vc/illness/archives/134
アクア動物病院
内分泌科症例
http://www.aqua-ah.com/guide07-02.html