犬もヘルニアになる?麻痺して動けなくなるこも!症状や原因、治療法まで徹底解説

愛犬の歩みがふらふらしている、立ち上がるのがしんどそう。
もしそのような行動が見られる場合、 原因は椎間板ヘルニアによるものかもしれません。

症状は5段階に分かれ、最も進行が進むと、足の感覚が麻痺し動かなくなる場合があります。
今回は犬の椎間板ヘルニアについて、原因や症状、治療法に至るまでを徹底解説していますので、 最後までチェックしながら確認ください。

椎間板ヘルニアとは?

椎間板ヘルニア(以降、ヘルニアと表記)とは、脊椎の間にある椎間板(脊髄にかかる衝撃をクッションのように和らげる働き)が圧力に耐えきれずに損傷し、神経を圧迫することで、痛みや痺れ、神経障害などが生じる病気です。

ヘルニアはどのようにして起こる?

犬のヘルニアの主な原因は、以下の通りです。

・遺伝的要因
・外的要因
・加齢

遺伝的要因としては、手足が短く生まれてくる個体または元々手足が短い個体(ミニチュアダックスフンドやコーギー・ペンブローク、ビーグルなど)が発症しやすいと言われています。
専門的には軟骨異栄養性犬種(なんこついえいようせいけんしゅ)と分類され、
これらの種類は、椎間板が1~2歳を過ぎた頃から固くなることで、衝撃を吸収しづらくなり脊髄を圧迫しヘルニアを発症するとされています。

他にも、年齢に伴う椎間板の変性や過度の活動や急な動作による後転的要因が含まれます。

このような症状は要注意!

ヘルニアを患った犬は、痛み、不安定な歩行、感覚の喪失、重度の場合には不随意運動や麻痺を示すことがあります。


症状は程度により5段階の重症度に分かれ、それぞれにより適した治療法も異なります。

グレード1: 犬が不快そうにしていたり、時々痛みを訴える
(びっこを引いたり、声をあげたりする)程度の症状です。
グレード2: 歩行時に明らかな不安定さやふらつきが見られます。
軽度の痺れがあります。
グレード3: 犬が一部の感覚を失い、自力で立ち上がることが困難、
歩行時も4本足で歩けなくなります。
グレード4: 犬が四肢の動きを完全に失い、よほどの強い刺激がない限りは
感覚がない状態で、排尿や排便のコントロールもできない可能性があります。
グレード5: 痛みや感覚が全くない状態です。
強い刺激を加えても、反応がありません。

治療法は?

治療は症状の重さに応じて変わり、軽度の場合は内科療法として安静と炎症を抑えるための薬物治療が効果的です。
重度の場合、または保存的治療に反応が見られない場合には、神経圧迫を取り除くための外科手術が必要になります。

治療後の回復期には、理学療法や運動療法が組み込まれることもあります。

予防について

先天的な場合の発症回避は困難ですが、進行を遅らせる、または後天的な発症を防ぐためには、日頃から負担をかからないように配慮することが重要です。

例えば、家の中で高いところからジャンプをしないようスロープを設ける、床がフーローリングの場合は滑らないようカーペットを敷く、散歩時にリードではなくハーネスを使用する、激しい運動をさせない。といった予防策が挙げられます。

他にも、肥満もヘルニアのリスクを高めるため、体重管理の徹底も重要です。

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まとめ

ヘルニアは、遺伝的素因、外傷、加齢など多様な原因があり、症状は痛みや運動障害から重度の場合は麻痺に至るまで様々です。

どの犬も発症する可能性のある疾患ですので、飼育環境を整えてあげる、肥満に気をつけるなど、飼い主様ができる予防をきちんと行なってあげましょう。

参考にした記事・文献

AMERICAN KENNNEL CLUB
Hernias in Dogs: What You Need to Know
https://www.akc.org/expert-advice/health/bloat-in-dogs/

動物再生医療センター病院
椎間板ヘルニアのグレード分類
https://hospital.anicom-med.co.jp/arm-center/owner/explanation/discherniation-grade/

ダクタリ動物病院
椎間板ヘルニア
https://www.daktari.gr.jp/disease10.html