愛犬を呼んでも反応が悪い。近頃、吠える声が大きくなって困っている。
もしそのような行動が見られる場合、 聴覚に異常がある可能性があります。
後天的な理由の場合、悪化すると完全に聴覚を失う可能性がありますので、早期治療が重要です。
今回は犬の聴覚異常について、原因や症状、治療法に至るまでを徹底解説していますので、 最後までチェックしてください。
聴覚障害とは?
その名の通り聴覚が何かしらの原因により、部分的または完全に損なわれてしまうことで、音が聞こえづらい、または聞こえなくなる疾患です。
聴覚障害はどのようにして起こる?
犬が出生時から聴覚を持たないか、あるいは後天的な理由で聴覚が損なわれてしまう場合があります。
濃い色の下地に白斑が浮き上がる被毛を持ったダルメシアンやブルテリア、イングリッシュセッターなどは遺伝性の聴覚障害を発症しやすい犬種だとされています。
他にも、後天的な要因としては以下のような可能性が挙げられます。
・老化による耳小骨(じしょうこつ:音の振動を伝える骨)の衰え
・外耳炎や内耳炎などの、耳の疾患から併発
併せて読みたい:
このような症状は要注意!
以下のような症状が見られる場合、聴覚障害を引き起こしている可能性があります。
この症状要注意!
・以前は呼びかけて反応したのにしなくなった
・突然の大きな音も驚かない
・大きい音を出して吠える
犬の聴力は人間の約4倍とされており、本来は細かい音までも拾えます。
しかし、以前と同じ声量でも反応がなかったり、あるいは愛犬自身の声も聞こえづらくなっていたりすると、上記のような行動が見受けられますので、
これらの症状に気づいたら、すぐに獣医師に相談しましょう。
治療法は?
一度難聴になると、元の聴力を取り戻せる手筈はありません。
音でコミュニケーションが困難なため、アイコンタクトや、手信号によるコマンド、触覚に訴るコミュニケーションで指示を伝えることが重要です。
また後天的な場合は、今まで聞こえていたものが聞こえなくなるため、戸惑いや不安から警戒心が強くなることがあります。
不安を煽らないような形で、徐々に他の人や犬に慣れさせるようにしましょう。
症状が軽度の場合は、犬用の補聴器が実際に使用し聴こえるようになった事例が海外でもありますので、試してみるのもいいかもしれません。
予防について
先天的な理由や老化による機能低下は避けられませんが、外耳炎や中耳炎などの耳の疾患による併発は避けられる可能性があります。
2週間〜1ヶ月に一回、定期的に耳を掃除し、綺麗な状態を保つことを意識しましょう。
ご自身で難しい場合は、トリミングサロンや動物病院でも対応してくれます。
まとめ
犬の難聴は、遺伝によるものや、老化や病気の併発などの後天的な理由まで、発症理由は様々です。
日常生活では、視覚や触覚を利用したコミュニケーションを通じ、聞こえなくても意思疎通ができるよう訓練をしましょう。
参考にした記事・文献
AMERICAN KENNNEL CLUB
Hearing Loss in Senior Dogs: Signs, Symptoms, and Management
https://www.akc.org/expert-advice/health/hearing-loss-senior-dogs/
Dog Hearing Aids: Innovations in Assisting with Canine Deafness
https://www.akc.org/expert-advice/health/dog-hearing-aids/
くりの木動物病院
耳の病気(外耳・内耳等)
https://www.kurinoki-ah.com/report/