愛犬が前足を庇うように歩いている。最近散歩を嫌がるようになった。
もし大型犬を飼育されていて、このような症状に悩まされている場合、その原因は肘関節形成不全によるものかもしれません。
歩行に影響を与え、運動不足による他健康被害が生じる可能性もありますので、注意が必要です。
今回は肘関節形成不全について、原因や症状、治療法に至るまでを徹底解説していますので、 最後までチェックしてください。
肘関節形成不全とは?
肘関節形成不全は、犬の前肢の肘関節部分において、骨や軟骨の正常な成長が阻害されることによって発症します。
これにより、肘関節の部位で不安定性や炎症が生じ、悪化すると歩行が困難になる場合もあります。
肘関節形成不全はどのようにして起こる?
肘関節形成不全の一般的な原因には、遺伝的要因が大きく関与しています。
バーニーズ・マウンテン・ドッグやロットワイヤーといった、大型犬や超大型犬が発症しやすいとされており、生後5〜9ヵ月齢前後の急速に成長する時期に、不均衡な骨の発育がなされることで、関節間がうまく噛み合わず発症することとなります。
遺伝的要素が多いものの、肥満により関節に負荷がかかり変形する場合や、強い外傷を受け未成熟な骨が変形しそのまま成長する、などといった理由も挙げられます。
このような症状は要注意!
以下のような症状がある場合は、肘関節形成不全の可能性がありますので注意が必要です。
この症状要注意!
・かばうように歩く
・運動や散歩を嫌がる
・肘を曲げるのを嫌がる
・立った際の肘が不自然な形をしている
・肘が腫れ上がっている
大型犬は必要な運動量も多く、日々の散歩は必要不可欠です。
このような症状により日々の散歩に行けない、量が不足しているとなった場合、ストレス蓄積だけでなく様々な健康被害にも繋がってきますので、思い当たる場合は早めの受診をお勧めします。
治療法は?
肘関節形成不全の治療法は、鎮痛剤や抗炎症薬などの内科治療に加え、体重管理、運動のコントロールなどで様子を見るケースが多いです。
しかし、重度の症状の場合は、軟骨の掻爬(そうは)や関節軟骨を切除といった外科手術が推奨されることもありますので、愛犬の歩行に違和感を感じたら、まずは病院にいき判断を仰いでください。
予防について
大型犬は体重も重く、関節に負担がかかりやすいので、激しい運動を避けることが予防にもつながります。
また、肥満も関節への負担を増大させるので、きちんと体重管理を行いましょう。
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まとめ
肘関節形成不全は、特に大型犬の成長期に見られる疾患で、遺伝的な要因が大きく影響しています。
前足を庇うように歩いている姿や、関節が赤く腫れ上がっている症状などが見受けられた場合は、すぐに獣医師と連携して、適切な処置を仰ぎましょう。
参考にした記事・文献
AMERICAN KENNNEL CLUB
Elbow Dysplasia in Dogs
https://www.akc.org/expert-advice/health/elbow-dysplasia-dogs/
日本動物遺伝病ネットワーク
肘関節形成不全症
http://www.jahd.org/disease/d_elbow#:~:text=%E7%8A%AC%E3%81%AE%E8%82%98%E9%96%A2%E7%AF%80%E5%BD%A2%E6%88%90%E4%B8%8D%E5%85%A8%E3%81%A8%E3%81%AF,%E3%81%AB%E3%81%AF%E8%A6%81%E6%B3%A8%E6%84%8F%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82
小川犬猫病院
専門医療 犬の肘の病気
https://www.ogawa-vet.co.jp/shonan-diaginfo/%E5%B0%82%E9%96%80%E5%8C%BB%E7%99%82%E3%80%80%E7%8A%AC%E3%81%AE%E8%82%98%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/