愛犬の目が真っ赤で充血している。目を痒そうにしている。
もしそういった症状が見受けられる場合、乾性角結膜炎が原因かもしれません。
放置すると、他の眼科疾患を引き起こす可能性があるため、早期発見・早期治療が重要です。
今回は乾性角結膜炎について、原因や症状、治療法に至るまでを徹底解説していますので、 最後までチェックしてください。
乾性角結膜炎(かんせいかくけつまくえん)とは?
乾性角結膜炎はいわゆるドライアイです。
犬の眼において涙液の分泌が不十分であるために、角膜と結膜が乾燥し炎症を起こす疾患です。
涙液は眼の健康に重要で、角膜を保護し、栄養を供給し、外部刺激から守る役割を果たしますが、乾性角結膜炎では、この涙液の不足によって角膜が傷つき、炎症により開眼時に目の痛みや不快感を感じる症状があります。
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乾性角結膜炎はどのようにして起こる?
・涙腺の炎症
・自己免疫疾患
・薬の副作用
・先天的に涙腺が低形成される
先天的に涙腺が低形成されやすいとされている犬種として、ヨークシャー・テリアやチワワ、シー・ズー、ブルドッグなどが挙げられます。
また甲状腺機能低下症のような自己免疫疾患による併発もありますので、目の異常以外にも、元気がない、被毛に艶がなくなった、などといった症状が見受けられる場合は注意が必要です。
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このような症状は要注意!
乾性角結膜炎を患っている犬は、以下のような症状を示します。
この症状要注意!
・目の赤み
・かすみ
・目やにの増加
・目の痛み
これらの症状により、犬が目をこする行動につながり、慢性的な不快感や視力の低下を引き起こす可能性があります。
また外傷により、白内障やぶどう膜炎といった、他の眼科疾患を併発させ、症状の重度によっては、犬の日常生活に支障をきたすこともありますので、早めの処置が重要です。
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治療法は?
乾性角結膜炎の治療は、症状の緩和と涙の量を増やすことを目的とします。
人工涙液の点眼や、感染を防ぐための抗生物質の処方が行われます。
後天的な場合は上記の処置で完治することもありますが、先天的な理由、または後天的な理由でも体質上発症しやすい場合は、完治することは難しく、上記のような処置を愛犬の状態を見ながら一生対応していくことになります。
予防について
発症自体を予防することは困難ですが、発症リスクを下げる、または発症した場合の状態悪化を防ぐために、以下のような予防策が挙げられます。
・犬の目の周りを清潔に保つ
目ヤニなどが溜まり目の周りが汚れていたら、拭き取り清潔に保ってあげましょう。。
・目に強い刺激を与えない
シャンプーなどの際には、目に入らぬよう注意しましょう。
万が一にも入ってしまったら、人工涙液を点眼し洗い流して汚れを落とします。
・目を乾燥させない
部屋を加湿して目の乾燥を防ぎます。特に冬は暖房器具などで乾燥しやすいので注意を。
まとめ
乾性角結膜炎は、犬の涙の生産が不足し、目の乾燥を引き起こす疾患であり、一般に「ドライアイ」と呼ばれます。自己免疫疾患や遺伝的要因など多様な原因によって発症し、赤みや目やにの増加などの症状が現れます。治療は症状の緩和と涙の量を増やすことを目指し、日常的なケアが病状の管理には不可欠です。愛犬が目を乾燥させているような素振りを見せているようであれば、一度獣医師に相談をしてはいかがでしょうか、
参考にした記事・文献
森田動物医療センター
犬の乾性角結膜炎(ドライアイ)について、その目やに大丈夫?│埼玉県川口市-森田動物医療センター
https://www.animal-hospital.jp/blog/603
うたづ動物病院
【犬】ドライアイ(乾燥性角結膜炎)
https://utazu-petclinic.com/case/%E3%80%90%E7%8A%AC%E3%80%91%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%82%A4%EF%BC%88%E4%B9%BE%E7%87%A5%E6%80%A7%E8%A7%92%E7%B5%90%E8%86%9C%E7%82%8E%EF%BC%89/