近年、獣医学の発展や飼い主の健康意識の変化により、犬の寿命は、ここ40年で2倍近く伸びたと言う調査結果もあり、愛犬の高齢化が進んでいます。
一方で高齢化が進んだことで、犬の癌発症率は上がり、今では死因の50%は癌によるものだとの研究結果もあり、
飼い主様にとっては、避けては通れない疾患とっても過言ではないでしょう。
今回は、そんな犬の癌について、原因や症状、治療法に至るまでを徹底解説していますので、 最後までチェックしてください。
犬の癌(がん)とは?
近年、犬の50%は癌による悪性腫瘍で亡くなるとされています。
癌とは、一言で言うと、遺伝子の突然変異によって生まれる死なない細胞です。
そのような異な常細胞が、正常な組織内に侵入し増殖することで、塊になり腫瘍を形成することが特徴です。
良性腫瘍と悪性腫瘍がありますが、悪性腫瘍(体に害のある腫瘍)が成長すると、他の正常な細胞に栄養素が行き渡りにくくなり、様々な健康被害を引き起こします。
また癌細胞は、血液に入り込み体内を移動(転移)し、他の部位で腫瘍を形成するなど、全身に広がっていきます。
どの犬でもかかることはありますが、遺伝的に発症しやすい犬種もいます。
犬の癌(がん)はどのようにして起こる?
癌の原因は多岐に渡り、特定が困難です。
遺伝的要因
ゴールデン・レトリーバーやラブラドール・レトリーバー、バーニーズ・マウンテン・ドッグなどの大型犬は、遺伝的に発症しやすいと言われています。
生活習慣
運動不足による肥満やストレスの増加によるもの、また、ドッグフードに含まれる穀物類は癌細胞の栄養になりやすいとされています。
・老化
老化により年齢を重ねることで細胞増殖によるエラーが増える、また修復能力も低下し発症しやすくなります。
このような症状は要注意!
癌の初期症状はほとんど見られないことが多く、進行してから発覚することが多いです。
また、発症する部位により症状が異なり、かつ癌以外での病気で見られる症状も多く、見極めが困難です。
この症状要注意!
・しこりやイボがある(リンパ系)
・咳や呼吸困難、鼻血、いびき、鳴き声が変わった(呼吸器系)
・嘔吐、下痢、便秘(胃腸系)
・血尿、頻尿(膀胱系)
・ふらつき、麻痺(骨肉系)
これは一例ですので、体調に異常をきたしている場合は、がんの可能性を疑い、早めの検診をお勧めします。
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骨肉腫
治療法は?
犬のがん治療には腫瘍の除去を行う手術、抗がん剤の投薬、放射線療法による癌細胞の根絶などがあります。
その他にも、自身の免疫力を高め、増殖や再発を防止する、免疫療法なども普及しております。
病状や種類、部位によってに最適な治療法は異なるため、愛犬の状態に合わせ適切な処置をしましょう。
予防について
発症自体を予防することは困難ですが、発症リスクを下げるためには、普段の生活習慣や食事状況を見直すことが最初の一歩です。
・適切な運動量を確保できているか
・食事の量は適切か
・普段与えているフードの原材料はどのようなものが入っているか
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まとめ
癌は、多くの犬が生涯にわたって直面する可能性のある深刻な疾患です。
その原因は様々であり、遺的要因から生活環境まで影響を及ぼします。
早期発見が鍵となるため、定期的な健康チェックと、異変を感じたときの迅速対応が不可欠です。
参考にした記事・文献
AMERICAN KENNNEL CLUB
Cancer in Dogs: What to Know
https://www.akc.org/expert-advice/health/cancer-in-dogs/
Liver Cancer in Dogs: Signs, Symptoms, Treatments
https://www.akc.org/expert-advice/health/liver-cancer-in-dogs/
Everyday Ways to Reduce Cancer Risk for Your Dog
https://www.akc.org/expert-advice/health/reduce-dog-cancer-risk/
茶屋ヶ坂動物病院
よくある癌の症状
https://www.chayagasaka-ah.jp/department/oncology_symptom/