愛犬がなんだか歩きづらそう。家具などによくぶつかっている。
もしコリー種を飼育されており、上記のような症状が見受けられる場合、コリーアイを疾患している可能性があります。
失明にも発展する場合があり、早期発見が重要です。
今回はコリーアイについて、原因や症状、治療法に至るまでを徹底解説していますので、 最後までチェックしてください。
コリーアイとは?
コリーアイは、ボーダー・コリーやラフ・コリー、シェットランド・シープドッグなど、コリー種やその近縁種によく見られる、遺伝性疾患です。
脈絡膜と呼ばれる、強膜と網膜の間にある、眼球内に栄養や酸素を届ける血管が多く流れている膜があり、その部分に欠損が生じ、重症化すると視力障害を引き起こすにまで至るので注意が必要です。
コリーアイはどのようにして起こる?
コリーアイは遺伝性の疾患で、常染色体劣性遺伝(じょうせんしょくたいれっせいいでん)という、母犬・父犬の両親それぞれから、変異した遺伝子を受け継がれた場合にのみ発症します。
片親だけが、変異遺伝子を持っていても発症しないのが特徴的です。
コリーアイは、生後5~8週目の段階で発症する疾患です。
そのため、お迎えする際には、すでに発症をしている可能性があります。
ペットショップやブリーダーで検査を行っている場合は事前にその診断書を確認しましょう。
もしまだだった場合は、早めに獣医師に診察を受けるようにしましょう。
このような症状は要注意!
コリーアイの症状は、軽度なものはわかりやすい症状はほとんど現れませんが、重度な場合だと失明することもあります。
症状の程度は、5つのグレードに分類されます。
グレード1 | 眼底の血管の異常なうねり |
グレード2 | 脈絡膜の低形成 |
グレード3 | 組織欠損が起こる |
グレード4 | 網膜剥離が起こる |
グレード5 | 眼球内出血が起こる |
グレード3以上で視覚障害が発生する可能性があります。
基本的にグレードは進行しませんが、外部からの強い衝撃が要因で、悪化することがありますので注意が必要です。
また、両目で発症するケースがほとんどですが、左右でグレードが異なることが多いです。
そのため、片目のグレードだけが高くても、いつものように日常生活を過ごしているケースも多く、発覚が遅れることもあります。
以下のような症状が見受けられる場合は、グレード3以上に進行している可能性が高いので、早めに診察を受けましょう。
この症状要注意!
・家の中で、家具にぶつかるようになった
・目ではなく、鼻を頼りに歩いている傾向がある
・警戒心が強くなった
治療法は?予防はできるの?
コリーアイは遺伝性の疾患のため、残念ながら治療不可能な病気です。
多くは生後8週間以内の検査で、発症の有無とグレードがわかります。
定期的な経過観察をもとに、他の眼科疾患の予防に努めることが一番の予防です。
まとめ
コリーアイは、コリーをはじめとする特定の犬種に遺伝的に発症する眼疾患です。
発症は遺伝子の影響によるもので、現在のところ発症予防や治療法は存在しません。
生後4~8週間ほどを目安に、疾患の有無と程度を検査し、適切な対応を獣医師さんと相談してみてください。
参考にした記事・文献
中央愛犬病院
コリーアイ、コリー眼異常
http://chuou-aiken.com/information/post_254.html
ithpety
犬のコリー眼異常(コリーアイ)
https://withpety.com/dictionary/kiji/379.html
KAHOTECHNO
CEA(コリーアイ)
https://www.kahotechno.co.jp/cea/