【要チェック】飼う前に知っておきたい!あなたに合った犬種を選ぶ3つの観点

この記事を読まれている方の中には、”飼育しやすい犬種はなんだろう”と考えている方や、”どの犬種が自分のライフスタイルに適しているのか”と悩んでいる方が多いのではないでしょうか。

今回は、飼育する前に知っておきたい、犬を飼うために必要な観点を記載しますので、ご参考ください。

住環境

住環境は、愛犬と過ごす時間が最も多い場所となります。そのため、自分の環境に合った愛犬を選ぶことが重要です。特に以下がポイントとなりますので参考にしてください。

借家か持ち家か

借家の場合、不動産会社によって、”小型犬のみ飼育可”や”中型犬1頭まで”など、犬のサイズや頭数を指定しているケースが多いです。
借家に住んでいて新たに犬を迎え入れようと考えられている方は、賃貸契約の内容をよく確認しましょう。また、引越しを検討している方も、その不動産会社の規約をよく確認してみてください。

近隣環境

住環境の防音性や、近隣住民との距離、関係性も重要なポイントの一つです。
理由として、吠える声や足音で近隣住民とのトラブルに発展するケースもあるからです。

大前提として、犬はなぜ吠えるのでしょうか。
それは、自分の意思を“吠える”という形で飼い主に伝えようとしているからであり、彼らなりのコミュニケーション行為であるためです。
しつけにより愛犬の無駄吠えは防ぐことはできるものの、吠えることは本来ごく自然な行為です。

その上で、臆病、好奇心が強い、活発な性格が多い犬種などは、一般的に吠える頻度は多いかもしれません。ルーツが猟犬や牧羊犬などの犬種は特にです。

また、中〜大型犬になると、吠える声量も大きくなります。
防音性が優れている、または近隣が犬を飼っている世帯が多く理解があるのであれば安心ですが、そうでない場合はトラブルを避けるためにも、性格がおおらかな犬種や、声量の大きくない小型犬が、より好ましいかもしれません。
大型犬であればゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバー、小型犬ではマルチーズなどは穏やかな性格が多く、マイペースながら大らかな性格は、パグやフレンチブルドッグ、シーズーなどが該当します。

生活スタイル(愛犬への時間の確保)

ご自身の生活は、愛犬に対しどの程度の時間を確保できますでしょうか。犬種によって必要な散歩時間の距離や時間は異なってきますし、留守番をさせる時間によっても選択が変わることもあります。

散歩へかける時間

犬種によって1日に必要な運動量は様々です。
1日1〜2時間の散歩が必要なケースもあれば、15分前後で済む犬種もいます。運動不足になると、ストレスの蓄積、肥満により病気にかかりやすくなる、他の犬との交流が無いと愛犬の社会性が身につかない、など様々な問題が生じますので、犬種に合わせた散歩の時間の確保は飼い主様の責務となります。

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しつけやトレーニングにかける時間

犬のしつけは、互いが幸せに過ごすために必要なものでもあり、他者に被害を加えないための飼い主様の役目でもあります。
特にパピー期で迎え入れた愛犬は、トイレの仕方も、食べていいものといけないものの判断もできません。
しつけには時間と根気が必要ですが、その分、1つ1つできるようになった時の喜びは計り知れないものとなります。

犬種の中でも独立心が強いと言われている犬種は、しつけが困難で飼い初めの方には向いていないと言われています。例えば柴犬は、人気の犬種ではありますが、原種である狼にDNAがかなり近い犬種として知られており、しつけが難しい犬として知られています。

賢くて素直な性格が多い、ミニチュアシュナウザーやトイプードル、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルなどは、しつけがしやすいとも言われています。

留守番

大前提、犬は留守番が得意な動物ではありません。これは犬が元々群れで生活していた動物だからです。
そして留守番の限界時間は8〜12時間と言われております。日常的に、それ以上の時間家を空けることが多い方は、犬を飼うこと自体を見直した方がいいかもしれません。

犬が留守番できるようになるには、個々の気質や育て方に大きく左右されます。マイペースやひとり遊びが好き、自立心が強めな気質だった場合は、飼育後にきちんとトレーニングを行えば、留守番で困ることは少なくなるかもしれません。

ですので、もし飼育を検討している特定の犬がいる場合は、ペットショップのスタッフやブリーダーの方に、その子がどのような性格かを事前に聞いておくといいでしょう。

飼育にかかる費用

犬にかかる生涯経費は、平均で約230万円前後とも言われています。これらは犬種等で変動はしますが、一定経済負担がかかります。
どの犬種でも共通してかかる費用と、犬種によって差分が生じる費用の一例ですので参考にしてください。

共通

ワクチン、予防接種費

日本では、毎年1回の狂犬病ワクチンが必須となります。
他にも任意ではありますが、愛犬の健康を守るために、混合ワクチンやフィラリア予防、ノミ・ダニの予防など、予防をしておいた方がいい接種費用というものは毎年かかってきます。

ワクチン・予防接種一覧金額目安
狂犬病3,000円
混合ワクチン・5種6,000円
混合ワクチン・7種8,000円
混合ワクチン・9種以上10,000円
フィラリア予防(体重により金額が異なる)8,000円
ノミ・ダニ予防8,000円

通院代

予防接種以外にも、怪我や病気などで通院にかかる費用は発生します。こちらは犬種よりも個体差に依存する部分が多いため、共通事項に含んでいます。
医療費にかかる生涯費用は80万円前後と言われています。

雑費や娯楽費

おもちゃや洋服、トイレシートなど、愛犬との暮らしをサポートする費用もあります。こちらは各家庭の意向が強いため、費用の差分は大きいですが、例えばおもちゃや洋服にかける月間の平均支出は1000円前後となっています。

〈犬種毎〉

フードやおやつ代

大型犬か小型犬かによって、消費するフードの量は大きく異なります。毎月かかるフード代の平均額は、小型犬が約4000円なのに対し、中型・大型犬の平均は約5200円と、1.3倍近く費用がかかります。

トリミング代

トリミングというのは、”犬のヘアカット”のことを指します。
頻度や必要性に関しては、犬種毎の”毛の生え方”や、”体毛の長さ”で大きく異なります。

例えば、ビーグルやミニチュアピンシャー、ジャックラッセルテリアといった短毛種(スムースコートヘア)と呼ばれる種類は、基本的にトリミングの必要性はありません。
また、ポメラニアンやボーダーコリーといった長毛種(ロングコートヘア)でも、換毛期があり定期的に毛が入れ替わる犬種(ダブルコートヘア)であれば、不要、または整える程度でいいでしょう。

一方で、プードルやマルチーズ、シーズーなどは、放っておくと毛が伸び続けてしまう犬種(シングルコート)なので、1〜2ヶ月に1回はトリミング代が発生します。
1回のトリミングにかかる費用は、地域やお店によりますが、平均して5000〜6000円前後です。

定期的なカットは、見た目だけでなく、皮膚病や虫の感染などを防ぐ意味でも重要になってきますので、犬種に合った形できちんとお手入れをしてあげましょう。

まとめ

ペットを飼育するには、費用や時間、手間もかかるため、決して安易なことではありません。
ですがそれ以上に、日々の生活に癒しや安らぎを与えてくれるだけではなく、信頼できるパートナーや家族として生活を豊かにしてくれる存在です。

犬種毎に特徴はあるものの、犬も人間同様、各個体で性格は異なります。
犬種という大きい括りで検討するのはもちろん重要ですが、その子自身と向き合い、性格を知るという事が最も重要です。
よく考慮した上で、犬との幸せな生活を過ごしてくれる方が少しでも増えると、私どもも嬉しいです。

参考にした記事・文献

AMERICAN KENNEL CLUB
What Dog Is Right For Me? How to Choose the Perfect Breed
https://www.akc.org/expert-advice/dog-breeds/what-dog-is-right-for-me/

一般社団法人 日本ペットフード協会
令和4年 全国犬猫飼育実態調査
https://petfood.or.jp/data/chart2022/index.html

セゾンのくらし大研究
犬の留守番は何時間まで?留守番中に犬に掛かるストレスや注意点を説明
https://cutt.ly/qwig6yQO