フラットコーテッド・レトリーバーって飼いやすい?歴史や特徴、日々のお手入れまで徹底解説!

フラットコーテッド・レトリーバーは、水陸両方で活躍する鳥猟犬で、美しく気品漂うコートが特徴的な大型犬です。

この記事では、そんなフラットコーテッド・レトリーバーについて、歴史や性格、日々のお手入れなど様々な観点から解説をします。

もしお迎えを検討している、すでに飼育しているけど改めて理解を深めたい飼い主様は、是非この記事を参考にしてみてください。

フラットコーテッド・レトリーバーとはどんな犬種?

基本情報

フラットコーテッド・レトリーバーは、光沢のある滑らかな黒またはリバー(茶色)の長い被毛が特徴的なイギリス原産の大型犬種です。
ゴールデン・レトリーバーやラブラドール・レトリーバーと同様、レトリーバー(獲物を回収する犬)系統の一種であり、狩猟犬として長きにわたり人々を支えてきました。

他のレトリーバーと同様、明るくフレンドリーな性格で、より遊ぶことが大好きで甘えん坊な一面を持っている個体が多いです。

平均体重は約25~35kg、体高は成犬時で約56~61cm程度に成長します。
代名詞と言えるブラックの艶やかな毛色が王道の人気です。最近はリバーカラーも増えてきています。

歴史

フラットコーテッド・レトリーバーの出生説は諸説あり、定かではありません。
一説によると、19世紀中頃イギリスに輸入された小型のニューファンドランド種に、 ラブラドール・レトリーバーやカーリーコーテッド・レトリーバーを交配させて作出されたと考えられています。

当時は、牧羊犬や漁を手伝う水中作業犬として活躍していました。
平に生えるフラットコートが特徴的で、とても輝きがあり美しいことから、名前の由来にもなったとされています。優秀な回収犬として人気を集めましたが、 家庭犬としてラブラドールやゴールデンレトリバーが人気だったことから、一時期は個体数が激減したという歴史もあります。

フラットコーテッド・レトリーバーは飼育しやすい?

フラットコーテッド・レトリーバーの性格

他のレトリーバー系統と同様に、明るくフレンドリーな性格です。
長年、狩猟犬として人間を支えてきたこともあり、忠実で家族思いな一面もあります。

学習能力が高いのでしつけは容易ですが、エネルギッシュで遊ぶことが好きな性質から、時より興奮しがちになりますので、感情のコントロールできるよう幼少期からきちんとしつけを行いましょう。

手入れのしやすさ 〜ブラッシングとシャンプーは定期的に〜

フラットコーテッド・レトリーバーは「ダブルコート」という毛の生え方をしており、毛は一定の長さまで達したらそれ以上は伸びないため、基本的にはトリミング不要な犬種です。
毛先を整える程度で、1~2ヶ月に1回ほど必要に応じてカットしてあげるといいでしょう。特に、夏場暑い時は、サマーカットで涼しくしてあげることをおすすめします。

美しい被毛は抜けやすく毛玉になりやすいため、ブラッシングは毎日してあげるとムダ毛が取れて清潔感を保てます。

匂いは出やすい犬種なため、月に1~2回ほどの定期的なシャンプーもしてあげましょう。

アクティブな性格!実は泳ぐのがとても得意

かなりの運動量を必要とする犬種です。 1日50~60分ほどの散歩は2回ほど行いましょう。
それに加え、広い場所でのボール遊びや知能を使う遊びなどを加えると効果的です。

また、人間の漁を補佐していた歴史から、泳ぐのがとても得意です。川遊びなども取り入れるのもおすすめです。 その際には念の為、ライフジャケットを着用させると安心です。

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気をつけたい病気は?

胃捻転
胃捻転は、犬の胃が異常にねじれてしまう病気です。捻れた際に、胃内のガスや内容物が排出できず、血流も制約されるため、犬は急速に体調が悪化し、最悪のケースは死に至ります。

大型犬種によく見られ、主に食事直後や激しい運動後に発症しやすいです。

股関節形成不全
股関節形成不全は、犬の大腿骨(太ももの骨)と骨盤の関節、つまり股関節が正しく発達しない状態です。成長期に骨の変形や関節の緩みが原因で発症するケースが多く、関節炎などを引き起こす可能性があります。

白内障
白内障は、目の水晶体が濁り、視力が低下する病気です。これにより物がぼやけたり、かすんだりして見えにくくなります。白内障は高齢犬で発症するケールが多く、その要因は遺伝的によるものが多いが、外傷によっても発症します。

お迎えする際の費用は?

一般的な相場価格20万円〜30万円となっています。
体毛の色やサイズ、見た目や販路経路、血統の有無によって相場は変動します。

個体数も少なく、またアメリカや日本ではその繁殖に規制はないため、純種のフラットコーテッド・レトリーバーを探すのは難しいかもしれません。
ペットショップなどでの取り扱いは珍しく、ブリーダーを介してのお迎えが一般的です。

それに加え、ワクチン接種や去勢手術、初めてのお迎えの場合は準備する備品費用を加えると、7~10万円前後が初期費用として追加でかかるでしょう。

お迎えに関しては、こちらの記事にも詳しくまとめていますので是非参考にしてください。

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まとめ

フラットコーテッド・レトリーバーは、気品漂う黒いコートが美しい、イギリス原産の大型犬です。
レトリーバー系統の一種であり、狩猟犬として長きにわたり人々を支えてきました。
明るくフレンドリーで遊ぶことが大好きで甘えん坊な一面を持った性格が、人気の理由の一つと言えるでしょう。

美しい被毛は抜けやすく毛玉になりやすいため、ブラッシングは毎日してあげるとムダ毛が取れて清潔感を保てます。匂いが出やすい犬種なため、月に1~2回ほどの定期的なシャンプー必須。

エネルギッシュで遊ぶことも大好きなため、長めの散歩に加え、広い場所でのボール遊びや知能を使う遊びなどを加えると効果的です。

フラットコーテッド・レトリーバーの特徴と魅力を理解し、愛犬との幸せな時間を過ごしましょう。

参考にした記事・文献

AMERICAN KENNEL CLUB
Flat-Coated Retriever
https://www.akc.org/dog-breeds/flat-coated-retriever/

一般社団法人 ジャパンケネルクラブ
https://www.jkc.or.jp/archives/world_dogs/2012

日本と世界の犬のカタログ 2020
成美堂出版

いちばんよくわかる犬種図鑑 日本と世界の350種
メイツ出版