ポメラニアンは、そのふわふわとした毛並みが特徴的で、活発で賢く、飼い主様と何かをすることがとても好きな犬種です。
この記事では、そんなポメラニアンについて、歴史や性格、日々のお手入れなど様々な観点から解説をします。
もしポメラニアンのお迎えを検討している、すでに飼育しているけど改めて理解を深めたい飼い主様は、是非この記事を参考にしてみてください。
目次
ポメラニアンとはどんな犬種?
基本情報
ポメラニアンはその小さな体にふんわりと厚い被毛を持ち、その毛色はホワイトからブラック、オレンジに至るまでと非常に多彩で、見た目の愛らしさが際立つ小型犬種です。
日本における飼育頭数の多さ(第4位)も、見た目だけでなく、その社交的で人懐っこく、活発な性格に魅了される飼い主様が多いのではないでしょうか。
平均体重は性別関係なく約2~3kg、体高は成犬時で約18~22cm程度に成長します。
歴史
ドイツとポーランドにまたがるポメラニア地方で生まれたとされており、ポメラニアンの名前の由来はその土地名が由来となっています。
当時ソリ犬として活躍していた、サモエドという犬種の血を引いていると言われており、19世紀中頃に小型化されて愛玩犬として広まりました。
そしてその小型化に一役買ったのが、当時の英国王室のビクトリア女王だと言われています。
愛犬家の一面を持つ女王は、当時旅行中に出会ったポメラニアンを大層気に入り、イギリスに持ち帰った後に品種改良を重ね、小型化や被毛カラーのバリエーションを増やすなど、現在のポメラニアンが誕生することとなりました。
元々はホワイトやブラックの系統しかいなかったが、現在多く見るレッド系のポメラニアンは、イギリスのビクトリア女王が作出したものです。
ポメラニアンは飼育しやすい?
ポメラニアンの性格
とても活発で、飼い主と一緒に何かをすることがとても好きな犬種です。
また、観察力にすぐれ、とても賢く、 利口で周りを良くみていて状況判断が上手にできる傾向にあります。
一方で、吠えて訴えるような行動をとることが多いため、子犬の頃から不適切な吠えをコントロールするしつけがとても大切になります。
手入れのしやすさ 〜ブラッシングは毎日欠かさずに〜
豊かな被毛は綿のようにふわふ わとやわらかで、全体のシルエットを丸く見せています。 被毛は一定の長さまでしか伸びないため、基本的にはトリミング不要な犬種です。毛先を整える程度で、1~2ヶ月に1回ほど必要に応じてカットしてあげるといいでしょう。 ただし、カットをしすぎると数ヶ月ほど伸びてこず、それが原因で皮膚疾患や脱毛症などを発症する可能性があります。
また、体毛には体温調節を行う役割もありますが、短すぎると機能しずらくなり、夏にはかえって熱中症にもなりやすくなるので注意が必要です。
体毛が多くまた抜けやすい犬種のため、毛玉になりやすいです。毎日のブラッシングは必須、しっかり整えてあげましょう。
お散歩は短くても毎日行きましょう
必要な運動量はそれほど多くない犬種ですが、活発で遊び好きな性格な子が多いため、1日2回15分ずつの散歩を行いましょう。
また、家でおもちゃ遊びなどをしてあげることでストレス発散にもつながるため、散歩以外でも運動できる機会を作ってあげると愛犬も快適にすごせます。
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気をつけたい病気は?
膝蓋骨脱臼(パテラ)
膝蓋骨脱臼は、犬の膝の関節で膝蓋骨(膝の「パテラ」とも言われる部分)が本来の位置からずれる病気です。この状態が起きると、犬は痛みを感じたり、歩き方がおかしくなったりします。
主に小型犬種、特に成長期の子犬に起こりやすいです。急激な運動や転びやすい状況、または高いジャンプをすると、この病気が発症しやすくなります。先天的な要因も影響します。
気管虚脱
気管虚脱は犬の気管の軟骨が弱まり、気管が狭くなる症状です。「ゼーゼー」や「ガーガー」などの呼吸音、または咳をしていたら、発症している可能性が高いです。
ポメラニアンの他にも、チワワやヨークシャーテリアなど小型犬で発症しやすいケースが多く、その原因は先天性な理由から、肥満、老化まで様々で、はっきりとはわかっていません。
お迎えする際の費用は?
一般的な相場価格は20万円〜50万円となっています。
性別や年齢、体毛の色、販路経路、血統の有無によって相場は変動します。特にポメラニアンは毛色によって変動幅が大きく、「ブラック」や「チョコレート」色は個体数も少なく、費用が高くなる傾向にあります。
それに加え、ワクチン接種や去勢手術、初めてのお迎えの場合は準備する備品費用を加えると、7~10万円前後が追加で初期費用がかかるでしょう。
お迎えに関しては、こちらの記事にも詳しくまとめていますので是非参考にしてください。
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まとめ
ポメラニアンは、明るく活発で遊び好きで好奇心も旺盛なため、愛犬と一緒に楽しみたい、とお考えの飼い主様にとっては良きパートナーになるでしょう。
そして綿菓子のようなふわふわとした体毛はとても愛らしく、虜になること間違いなしですね。
一方で、体毛は抜けやすく、放っておくと毛玉になってしまうだけではなく、皮膚炎の原因にもなります。また元々は寒い地方の血を引く犬種なため、暑さには弱く、体毛を適切な長さ・量になるよう手入れしてあげることがとても重要です。
ポメラニアンの特徴と魅力を理解し、愛犬との幸せな時間を過ごしましょう。
参考にした記事・文献
AMERICAN KENNEL CLUB
Pomeranian
https://www.akc.org/dog-breeds/pomeranian/
一般社団法人 ジャパンケネルクラブ
https://www.jkc.or.jp/archives/world_dogs/2537
日本と世界の犬のカタログ 2020
成美堂出版
いちばんよくわかる犬種図鑑 日本と世界の350種
メイツ出版