愛犬の顎がガクガクしている。食欲が減退しているよう。
もしそのような行動が見られる場合、 原因は頭蓋下顎骨関節症によるものかもしれません。
口を開けるごとに痛みが生じ、愛犬にとってもストレスがかかる病気です。
今回は頭蓋下顎骨関節症について、原因や症状、治療法に至るまでを徹底解説していますので、 最後までチェックしてください。
目次
頭蓋下顎骨関節症(ずがいかがくこつかんせつしょう)とは?
頭蓋下顎骨関節症(ずがいかがくこつかんせつしょう)は、犬の頭蓋下顎骨(犬の下の顎)の関節に問題が生じる疾患です。
この関節は、口の開閉や咀嚼などの口の動きを調整する役割を担っているのですが、関節に炎症、変形、または損傷が生じ、口の開閉や咀嚼に問題が生じることがあります。
他にも、関節周囲の骨の増殖性変化(不要な部分に骨が出来てしまうこと)を引き起こすこともあります。
頭蓋下顎骨関節症はどのようにして起こる?
頭蓋下顎骨関節症は、いくつかの発症原因があります。
・硬いものを噛む
硬いものを噛むことで、顎に負担がかかり関節変形が起こる可能性があります。
・大きいおもちゃなどを齧る
大きいおもちゃを齧るために、必要以上に口を開けることで、顎関節の変形・炎症が起こる場合がありますので、おもちゃのサイズは、愛犬の口のサイズに適切なものを選ぶことが重要です。
・遺伝
遺伝的な理由で発症することもあり、特にウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアやスコティッシュ・テリア、ボストン・テリアなどのテリア種に多く発症するとされています。
併せて読みたい:
このような症状は要注意!
頭蓋下顎骨関節症は以下のような症状が挙げられます。
この症状要注意!
・よだれがだらだら出る
・発熱
・正しい噛み合わせができない
・口を開くと痛がる
・頭部の腫れ
顎を動かす際の痛みや食事中の苦労から、愛犬の食欲減退に繋がることもありますので、このような不調症状を見受けられましたら、まずは獣医師に相談をしましょう。
治療法は?
治療は、痛みが強い場合は鎮痛剤や抗炎症剤の投薬、根治には手術が必要な場合があります。
しかし重要化して、変形度合いが強い場合は、手術での完治が困難ですので、早期発見・早期治療が重要です。
予防について
遺伝的要素が大きく、発症を予防するのは難しいです。
症状を軽減させるために、食事を柔らかいものに変え、咀嚼頻度を減らすといった食事の工夫を実施します。
早期発見・早期治療が一番の予防につながるため、違和感を感じたら早めの診察をお勧めします。
まとめ
頭蓋下顎骨関節症は、犬の顎関節における痛みや機能不全を引き起こす疾患であり、その原因は遺伝的要因によるものが多く、テリア種が発症しやすいとされています。
治療は、鎮痛剤や抗炎症剤の投薬、根治の場合は種々が必要です。
また日々の食事を柔らかいものに変えて進行を防求ことも重要です。
もし継続的に痛みを感じている場合はすぐに獣医師に相談しましょう。
参考にした記事・文献
ウェルシュ・コーギー犬種にみられた頭蓋下顎骨症の一症例
長屋好昭、村上瑞文、垂井清治、高橋周太郎、八木里子、森田直、高橋智香子
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvma1951/56/1/56_1_32/_pdf