犬の肥大性心筋症ってどんな病気?命に関わる危険も!症状や原因、治療法まで徹底解説

最近なんだか愛犬の元気がなく、食欲も低下している。
もしそのような症状が見られる場合、 原因は肥大性心筋症によるものかもしれません。

大型犬に発症しやすい心臓疾患で、血流がうまく循環していないことが原因なため、長期化すると深刻な健康被害を受ける可能性があり注意が必要です。
今回は肥大性心筋症について、原因や症状、治療法に至るまでを徹底解説していますので、 最後までチェックしてください。

肥大性心筋症とは?

肥大性心筋症は心臓の疾患の一つで、心臓の左室の壁が厚くなる病気です。
人間と同様、犬の心臓も4つの部屋に分かれ血液の授受をし合い、循環しています。

その中でも肥大性心筋症は、全身に血液を送る役割を担う左心室の心筋肥大により、心室内での拡張・収縮機能に異常をきたすことで、うまく体内に血液を送り出すことができず、血液巡回がうまくいかなくなるといった疾患です。

肥大性心筋症はどのようにして起こる?

肥大性心筋症の原因は完全には解明されていませんが、遺伝的要素が関係していることが多いとされており、主に大型犬で発症しやすいとされています。

発症しやすい犬種

・ゴールデン・レトリーバー
・ラブラドール・レトリーバー
・ドーベルマン
・ジャーマン・シェパード・ドッグ

このような症状は要注意!

肥大性心筋症の症状には、以下のようなものが挙げられます。

この症状要注意!
・活動性の低下
・食欲の低下
・運動量の低下

体に十分な血液が行き届いていないため、全体的な不調感が特徴の一つです。
重症化すると、不整脈、虚脱や失神などといった命に関わる状態につながるため、注意が必要です。

この疾患は3歳以下の年齢で発症するケースは多いものの、高齢での発症事例もあります。
特に症状が、老化によるものと酷似しているため、初期発見は難しいため、違和感を感じるようなら、一度検査することをお勧めします。
心エコー検査やでMRIでの画像検査などが検査方法です。

治療法は?

肥大性心筋症は、実は猫の発症事例は多いのですが、犬での発症事例が少ないことから、治療法が確立されていません。
体に血液を巡回させるため、心拍数をコントロールするための薬による内科治療を行われることが多いですが、不整脈の有無などの症状を見ながら、獣医師と相談のもと適切な処置を行ってください。

予防について

発症予防は難しい為、状態の悪化を防ぐために、心臓に負担のかかる激しい運動などは控えるようにしましょう。
また、肥満も心臓機能を低下させる恐れがあるため、適切な体重維持もまた重要です。

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まとめ

肥大性心筋症は、犬の心臓肥大により血液循環異常を起こす疾患で、命に関わる場合もあります。
犬が発症するケースは少ないとされており、確立した治療法はないです。
その中でも大型犬に発症しやすいとされており、愛犬の元気や食欲がない、と感じた場合は、一度発症を疑い病院に相談をしてみることをお勧めします。

参考にした記事・文献

AMERICAN KENNNEL CLUB
February – A Great Time to Evaluate Your Dogs’ Heart Health
https://www.akc.org/expert-advice/dog-breeding/february-great-time-evaluate-canines-heart-health/

心筋症
https://mah.jp/medc/cardiomyopathy

動物循環器センター北の森どうぶつ病院
心臓病について
https://www.kitanomori-ani.jp/heart_disease/2016/08/01/%E8%82%A5%E5%A4%A7%E5%9E%8B%E5%BF%83%E7%AD%8B%E7%97%87/