犬の進行性網膜萎縮症ってどんな病気?重症化すると失明も!症状や原因、治療法まで徹底解説

愛犬が暗い部屋で、家具や壁にぶつかるようになった。歩きづらそうにしている。
もしこのような症状が見受けられた場合、進行性網膜萎縮症(しんこうせいもうまくいしゅくしょう)の可能性があり、進行すると失明の恐れがあります。

今回は進行性網膜萎縮症について、原因や症状、治療法に至るまでを徹底解説していますので、 最後までチェックしながら確認ください。

進行性網膜萎縮症(しんこうせいもうまくいしゅくしょう)とは?

進行性網膜萎縮症は、犬の網膜(得られた情報を認識する役割を持った細胞)の細胞が失われ、視力が徐々に低下する疾患です。最終的には失明することがあります。
高齢犬から発症することが多いことでも知られています。

犬と人間の目の構造や、見え方の違いを解説した記事がありますので、是非合わせて読んでください。


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進行性網膜萎縮症の発症原因は?

進行性網膜萎縮症は遺伝的要因によって引き起こされる病気です。
ミニチュア・シュナウザーやボーダー・コリー、バーニーズ・マウンテン・ドッグなどは発症しやすいとされています。

このような症状は要注意!

初期症状は夜盲症であり、網膜の中にある桿体(かんたい)細胞と呼ばれる、暗いところでも光を感知できる細胞が萎縮し始めて、犬が低光量でうまく見えなくなります。

次第に症状は日中の視力にも影響を及ぼし、犬が物にぶつかるなどの行動が見られるようになります。

最終的には、錐体(すいたい)細胞と呼ばれる、明るいところで視覚や色覚を把握する細胞が萎縮して全盲に至りますが、これは数ヶ月から数年にわたって徐々に進行します。

治療法は?

発症を遅らせるために、網膜の血流を良くする点眼薬や内服薬はありますが、この疾患に関する治療法などは、残念ながら現在では確立されていません。

予防について

進行性網膜萎縮は、遺伝的な要因も多いことから、発症予防に関しては難しいとされています。

発症した場合、次第に視力が衰えてくる為、家具や壁にぶつからないようにするため、家の中のレイアウトを変更しないことが望ましいです。
また、犬が安心して移動できるように、散歩ルートを一貫させることも有効です。

まとめ

進行性網膜萎縮症は遺伝的な病気であり、網膜内の細胞の萎縮により犬の視力を徐々に奪っていきます。
この疾患は完治する方法がなく、進行を遅らせるための投薬に加え、家具などにぶつからないようにするための工夫や配慮をし二次被害をなくすように心がけましょう。

参考にした記事・文献

AMERICAN KENNNEL CLUB
Progressive Retinal Atrophy (PRA) in Dogs: What to Know
https://www.akc.org/expert-advice/health/progressive-retinal-atrophy/

こんどう動物病院
進行性網膜萎縮(P.R.A.)
https://www.kondo-vet.com/ophthalmology-3


りか動物病院
進行性網膜萎縮(PRA)のおはなし
https://rika-ah.com/byouki/byouki06.html